野点BLOG - BreakerProject.net

breakerproject.net
pa

野点BLOG

美術家、きむらとしろうじんじんによる「野点(のだて)」が2年ぶりに新世界・西成エリアに帰ってきます!このブログでは、今年秋の野点開催に向けて準備の様子を日々アップしていきます。

[project data] !!!スタッフ随時募集中!!!

~野点を振り返って~

img07120001_1 みなさま、こんにちは。
サポートスタッフの H.”Kylin”.Asadaです。

 昨日は、大阪/新世界・西成『野点』反省会;
 「~野点を振り返って~」が行われました。


2007/11/03(SAT)~2007/11/17(SUN)の間、
「サポートスタッフ」として、
<<じんじん>>さんを支えた人々が集まりました。

イベントが終わって約1ヶ月…、
久しぶりに顔を合わせたメンバーたちからは、
思わず、
  「お久しぶり!元気?」
の声が上がります。

飲み物で喉を潤し、口が滑らかになったところで、
座談会の始まり。
書くことが盛りだくさんなので、”箇条書き”にしましょう。

後から読み返すとかなり主観が入ってるかも…。
気になる箇所は、スタッフの皆さん、直して下さい。


□イベントの比較
 →”Kylin”自身は、この秋、
   ◇『第7回 からほりまちアート』
      http://karahori-machi-art.com/
   ◇『とんぼりワッショイ! Vol.4』
      http://tonbori.info/
   ◇『野点 2007 ~新世界・西成~』
      http://breakerproject.net/publicart/nodate/
  の3つのイベントのスタッフを務めました。
  実は、昨日の昼間も1本サポート作業をこなしました。

  それぞれのイベントを比べると、良い点・悪い点が
  よく分かります。
  イベント運営のノウハウの”相互乗入れ”が図られて、
  個人的には、勉強になりました。

■準備の根回し;
 →<<じんじん>>さんはもちろん、事務局スタッフの方々が、
  かなり前から、地元と打合わせを重ねて『野点』の開催に
  漕着けました。
  その用意周到ぶりを感嘆する声がしきり…。

■観客動員数
 →ワタシが発したこの単語が波紋を広げたような…。
  イベントを開催する側は、「観客動員数」を気にします。
   ・商業的宣伝効果
   ・公的助成の申請の際の「公益性」の目安
   ・スタッフのモチベーション効果
  いろいろな要素から、この数字が多いほど「良」とされます。
  
  けれど…。
  『野点』に関しては、微妙なのです。
   ・開催場所が道端で、そんなに広くない。
    だから、人が集まりすぎると、通行の邪魔になり易い。
   ・絵付けのために用意されたお茶椀がそんなに多くない。
    一度にお客が押し寄せたら、あっと云う間に無くなる。
   ・人が押し寄せたら、近所迷惑になり易い…。

  <<じんじん>>さんは
    「公益性」と「観客動員数」は必ずしも一致しない
  と思っています。
   むしろ、
    個別の催し物の相談に、ていねいに対応出来ているのか?
  ということが大切と考えているようです。

  今回の開催で、出席メンバーの印象に残っているのは、
  子供たちの活躍です。
   ・大人顔負けの渋い作品を作り上げる
   ・<<じんじん>>さんを質問攻めにする
   ・子供たちの笑顔が何よりも良い
     
  私個人的には、
    主催者側が「観客動員数」に拘らなくても成立つイベント
  それが『野点』なのかも…。

■単語
   ・「アート」
   ・「環境」
   ・「福祉」
  イベントが行われる際に、コンセプトの説明でよく使われる単語です。
  あ、そうそう、
   ・「イベント」
  という単語も誤解され易いな…。

  イベントの際に「免罪符」のように使われるこの単語…。
  ちょっと注意が必要です。
  それは、
   本当の意味を分かった上で使っているのか?
  ということ。

■現場
   「良いプロセス(地元との打合わせや、準備)を経て、
    良い現場になる」
  <<じんじん>>さんから、何回か聞いた言葉です。
  
  <<じんじん>>さんは、パターン化の危険性を認識しています。
  だから、”ノウハウ”という名の「十派一絡げ」も好きではありません。
  
  『野点』も、その地域地域によって、微妙に運営の仕方が違うようです。
  大阪/新世界・西成の現場では、下準備から開催まで、多くの時間と労力を
  使いました。
  だから、”すごく贅沢な現場”なのです。
  
■反商業的
  →窯の焼上げキャパシティが、1回につき約4つなので、
  絵付けを終えたお客さまは、焼上がりまで待たなければなりません。
  商売でやっていたら、こんな状態は失格です。

  『野点』で絵付けに参加したお客様は、辛抱強く待ってくれます。
  でも、待つことによって違う楽しみかたが出来ます。
  それは、
   ・人の作品の焼上がりを眺めて品評できる。
   ・お茶を飲む時間ができる。
  そして…、
   ・自分の作品の焼上がりを心配できる…(?)
   ・自分の作品の焼上がりの不出来が思い出になる…(?)

  この「待つ楽しみ」の意見が出たとき、多くの出席者が
  肯いたものでした。
  
■トイレ
  →『野点』の開催中、<<じんじん>>さんは
   ・開催エリアへの目配り
   ・窯の管理
   ・お茶椀の焼き上がりのチェック
   ・お茶の用意
   ・接客
   ・写真撮影のモデル
  など、大忙しです。

  当然、冬に近づく屋外のこと、”自然が訪れる”筈なのに、
  場所を離れたのを見たことが無い。
  な~んで?

  あるお客さまから、
   「お腹に特殊なカテーテル入れてるんか?」
  と訊かれたんだとか…。  

■白い茶碗
  →とあるお米屋さん近くの現場で、
  一見ホームレス風のおじさんが居たんだとか…。

  列に加わり、お茶椀を選んで、嬉々と絵付けをし、
  あとは窯で焼きあがりを待つだけ…。
  その後、どこかへ行ってしまった。
  有料と分かった瞬間、
   ”しまった…”
  と思ったんでしょう。
  <<じんじん>>さん曰く「焼き逃げ」。

  でも、目的が食物でも酒でない事に参加したのは、
  何かがおじさんの背中を押したからなのです。

  その白いお茶椀はじんじんさんが保管しています。
  なかなか渋い出来上がり。

  おじさん、
  お金が出来たら取りにいらっしゃい…。

□P.S.=名刺代わり
  →座談会の後、近くの韓国料理屋さんで「お食事会」。
  <<じんじん>>さんを始め、いろいろな方々とお話しました。

  『野点』は不定期開催です。
  だから、昨日お目にかかったメンバーとは、次にいつ会えるか
  分かりません。
  せっかくですから、メンバーの方々ひとりひとりとお話したかった
  のですが、出来なかった。

  そこで、個人使用になってしまうけれど、
  よく聞かれる「ブログ」のリストを上げておきます。
  気になる記事があったなら、コメントつけて貰えると嬉し…。
  10サイト近くありますが、主なものは次の通り;

   △『The Cafe "OPENDOOR"』;
      http://opendoor.exblog.jp/

   △『Breaktime at the Open-Terrace』
      (『tokyobookmark』公式ブロガーを務めます);
     http://openterrace.tokyobookmark.jp/
  
   △『Dragon Art Creator's Review』(スペシャルコラムを担当します);   
      http://www.ryukoart.com/category/special/kylin/

  このブログも時々更新します。
  また、皆さまとお目にかかれますように…。


>>DEC/23/'07 (SUN);
>>Written by
>> H. "Kylin" Asada.

きむらとしろうじんじん

1967年新潟生まれ。京都市立芸術大学にて陶芸を学んだ後、京都をベースに活動を行う美術作家。1995年から陶芸窯をのせた「野点-移動式カフェ」をスタート。現在までに全国各地の路上や公園、駅前、河川敷など様々な場所で開催している。long interview [log-osaka]

野点-焼立器飲茶美味窯付移動車

野点(のだて)とは、野外でお茶をたてて楽しむことです。
きむらとしろうじんじんによる「野点」は、大小2台のリヤカーに、陶芸窯・素焼きのお茶碗・うわぐすりなどの陶芸道具一式と、お抹茶セット一式を積んで、まちの様々な場所にあらわれる移動式カフェ、旅回りのお茶会です。ここではお茶を飲むだけでなく、じんじんが作った素焼きの器にその場で絵付けをし、楽焼き(らくやき)という方法で焼きあげられた自作のお茶碗でお茶を楽しむことができます。1995年からスタートした「野点(のだて)」は、不特定多数の人々が行き交う路上や公園など全国各地の(主に)パブリックスペースで開催されています。

今回で3回目の開催となる新世界、西成地域で野点では、前回、前々回で築いた地元とのネットワークをさらに拡げながら、開催に向けて準備中です。

  • *協力:新世界町会連合会/新世界連合振興町会/山王連合振興町会/飛田連合振興町会/萩之茶屋連合第一振興町会/萩之茶屋連合第二振興町会/山王女性会/新世界市場商業協同組合/通天閣本通商店街 青年部/新世界恵老会/ジャンジャン横丁・町 若手の会「新世代」/新世界てんこ盛り倶楽部/新世界ブログ会/飛田地区商店会連合/飛田新地料理組合/飛田新地協同組合/大阪簡易宿所生活衛生同業組合/わが町にしなり子育てネット/西成児童館の会/通天閣観光株式会社/各開催地の皆様
  • *衣装協力:当房優子/大中香/川合幸枝
  • *リヤカー協力:市村恵介/神谷三郎
  • *茶道具協力:清原正人
  • *主催:大阪市
  • *助成:(財)地域創造
  • *企画:雨森信
  • *企画運営:新世界ブレーカープロジェクト実行委員会/(財)大阪城ホール
©Breaker Project.net