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野点BLOG

美術家、きむらとしろうじんじんによる「野点(のだて)」が2年ぶりに新世界・西成エリアに帰ってきます!このブログでは、今年秋の野点開催に向けて準備の様子を日々アップしていきます。

[project data] !!!スタッフ随時募集中!!!

「野点」道具搬入

img07100035_1 img07100035_2 img07100035_3 いよいよ、「野点」器材、資材の搬入のときを迎えました。

そのまえに、まずは午前中、太子にある会館から、ホテル中央新館へ、長机と椅子の運び出し。じんじんさんのホテル内でのメイク準備のための机と椅子です。お昼からは、「新世界市場」倉庫への荷物道具搬入の準備に取りかかりました。

そこでじんじんさんと荷物を積んだ車と合流する予定でしたが、その車が渋滞に巻き込まれ、予定より1時間ほど遅れて到着。到着の連絡を受け当日のスタッフ一同、市場へ向かうと、倉庫の隣のお店の店先で腰をかけ、やきそばを食べるじんじんさんを発見。車から、リヤカーやらテントやらいろいろ搬出。これが、1台の車に載ってたんだなと考えると、ちょっと信じられないくらいの量でした。

このあと、2手に分かれ、八木は事務局スタッフ松本さんと、じんじんさんの運転する車に乗り(残りのスタッフさんたちは、倉庫でじんじんさん用の簡易更衣室の作成)、京都へ。
途中、観光客が訪れない穴場スポット?を通過しつつ、京都じんじんさん宅兼作業場に到着。素焼きの茶碗やうわ薬などの荷物を持ち出しをします。
じんじんさんの自宅は京都市内だけれども、けっこう山奥でした。この時期、もう京都の山奥の夕暮れは涼しい。この日の大阪は、もうすぐ11月だというのに、昼間はまだ夏日。

行き帰りの車中での会話から、いちばん印象に残ったのは、じんじんさんの「もう、野点やらんくてもいいんちゃう?」という発言でした。この言葉だけを取り出したら、何を素っ頓狂なことを言ってるんだと思ってしまいますが、これにはもちろん、文脈がありまして…
これは、今回の事務局スタッフの松本さんや阿部さんの、地域に対する接し方、関わり方についての話から飛び出した言葉です。聞くところによると、事務局スタッフのおふたりは開催地周辺を歩いていたりすると、地元の方から自然と声をかけてもらったりするそうです。地元の地域との関わりがとても大切だということ、それすなわち、「野点」開催までのプロセスに多大な準備と労力が必要なこと、そしてそれが非常に贅沢だということ。
「そこに『場所』があるというのは、単にその『空間』に何かが作られることによって出来あがるのではなくって、そこで人と人との関係があってはじめてそこが『場所』になるのだ・・・」といったことをどっかの本で読んだ覚えがあります。

「いつまで経っても野点は開かれないっていうの。松本くんや阿部さんが、あれだけ地元の人に声かけられるようになって、いつの間にか地元の女性会の人が一本線跡で『かえっこ』とかやってて、いつの間にかあそこが利用されるようになってて。それでええやんっていう気もする」。

「野点」という場がつくられるということは、路上で野点ができるという醍醐味だけでなく、むしろ、こうして人と人との関係がつくられ、変化すること自体が面白いのかもしれない。八木はじんじんさんの言葉をそんな風に受け止めました。

車は新世界へ帰り、荷物をふたたび搬入してゆきます。もう午後8時を過ぎていました。作業が終わり、近くの韓国料理屋さんで夕食をいただきました。じんじんさんと事務局スタッフのみなさんは、夕食のあとも仕事が残っていたようでしたが、八木は、お先に失礼させていただきました。
翌日、腕が筋肉痛。ダンボール箱を数箱運んだだけなのに…。体がたいへんなまっております。

きむらとしろうじんじん

1967年新潟生まれ。京都市立芸術大学にて陶芸を学んだ後、京都をベースに活動を行う美術作家。1995年から陶芸窯をのせた「野点-移動式カフェ」をスタート。現在までに全国各地の路上や公園、駅前、河川敷など様々な場所で開催している。long interview [log-osaka]

野点-焼立器飲茶美味窯付移動車

野点(のだて)とは、野外でお茶をたてて楽しむことです。
きむらとしろうじんじんによる「野点」は、大小2台のリヤカーに、陶芸窯・素焼きのお茶碗・うわぐすりなどの陶芸道具一式と、お抹茶セット一式を積んで、まちの様々な場所にあらわれる移動式カフェ、旅回りのお茶会です。ここではお茶を飲むだけでなく、じんじんが作った素焼きの器にその場で絵付けをし、楽焼き(らくやき)という方法で焼きあげられた自作のお茶碗でお茶を楽しむことができます。1995年からスタートした「野点(のだて)」は、不特定多数の人々が行き交う路上や公園など全国各地の(主に)パブリックスペースで開催されています。

今回で3回目の開催となる新世界、西成地域で野点では、前回、前々回で築いた地元とのネットワークをさらに拡げながら、開催に向けて準備中です。

  • *協力:新世界町会連合会/新世界連合振興町会/山王連合振興町会/飛田連合振興町会/萩之茶屋連合第一振興町会/萩之茶屋連合第二振興町会/山王女性会/新世界市場商業協同組合/通天閣本通商店街 青年部/新世界恵老会/ジャンジャン横丁・町 若手の会「新世代」/新世界てんこ盛り倶楽部/新世界ブログ会/飛田地区商店会連合/飛田新地料理組合/飛田新地協同組合/大阪簡易宿所生活衛生同業組合/わが町にしなり子育てネット/西成児童館の会/通天閣観光株式会社/各開催地の皆様
  • *衣装協力:当房優子/大中香/川合幸枝
  • *リヤカー協力:市村恵介/神谷三郎
  • *茶道具協力:清原正人
  • *主催:大阪市
  • *助成:(財)地域創造
  • *企画:雨森信
  • *企画運営:新世界ブレーカープロジェクト実行委員会/(財)大阪城ホール
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