プロジェクトが始まってから1週間が過ぎた。公園の作業を始めてから5日目。今日はお天気もよく予定通りブランコとうんていの錆び落とし。これまでに何度も塗り重ねられているので、錆びて陥没しているところと表面の段差をペーパーで削って、滑らかな面にするのがとても困難。
2台のグラインダーを投入しブランコを削り、もう2人のスタッフは一うんていの下地づくり。サンドペーパーとスクレイバーで人力作業。みんな粉まみれ。その間に、フランクは幼児コーナの遊具を着々と仕上げていく。色が塗られていくと、遊具も公園もいきいきとしてくる。明日の朝から下地塗料が塗れるように最後の30分ほど、6人がかりでうんていの削り作業。
これで明日は朝からうんていが塗れるかな。
Franck Bragigand(フランク・ブラジガンド)
1971年生まれ。オランダ/フランス在住。1990〜1995年、エコール・デ・ボザール(フランス国立高等美術学校)で学び、1997〜1998年、オランダの国立ライクスアカデミー(2年間のアーティストインレジデンス)に滞在。その後、オランダ、ベルギー、フランスなどヨーロッパを中心に活動。自らをrealistic painterと定義するブラジガンドは、新たな作品としてモノを作るのではなく、現実の社会に実在するもの(古くなって用途が失われたものなど)をペイントすることで再生させ、それぞれの特異性や魅力を引き出すという活動を展開している。オランダのデザインをリードするDroog Designのオフィス全体もペイントするなどデザインや建築とのコラボレーションも多い。2004年、大阪にて滞在制作を行い、路面電車(阪堺電車)と恵美須町駅をペイント。long interview [log-osaka]
Urban Concern-Osaka II
ヨーロッパをベースに活動するアーティスト、フランク・ブラジガンドが、約1ヶ月、大阪に滞在し行ったプロジェクト。2004年にも大阪に残る最後の路面電車と駅をペイントしたブラジガンドは、今回、大阪・浪速区にある日東小学校と愛染公園の遊具をペイントしました。色を塗ることで、どのように遊具が生まれ変わり、街の景観が変化するのか、またその周辺に住む人々の意識がどう変化するのか、そのプロセスに関わってもらうことも、今回のプロジェクトの目的としています。小学校では4年〜6年生の子どもが授業の一環で作業に参加、公園では一般から募集したサポートスタッフや小学校で作業を体験した子どもたちも参加し、アーティストと共同作業を行いました。ペイントした遊具は現在もそのまま残っています。
- 実施期間:大阪市立日東小学校 2006年12月4日(月)〜6日(水)
愛染公園 2006年12月6日(水)〜20日(水)
- 協力:大阪市立日東小学校/逢下振興町会/愛染公園愛護会/大阪成蹊大学(順不同)
- 助成:(財)地域創造/大阪ガス“小さな灯”運動
- 主催:新世界ブレーカープロジェクト実行委員会/大阪市/(財)大阪都市協会
- 企画:雨森 信