絶滅危惧・風景 - BreakerProject.net

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都市の中心部にありながら昔ながらの町並みや人情、昭和のたたずまいが残るまち。その失われつつあるまちの風景に介入、作品化するプロジェクト

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レポート:作品展示 「まちかざりの実験:デコポリ」

トイザウルス 天の川の渡り舟 hung-art 作品展示期間:2010年3月20日(土)~4月29日(祝・木)

身の回りにある日常の素材をみんなで持ち寄り、新しいイメージの飾りをつくる地域実験プログラム「まちかざりの実験:デコポリ」。

2008度の企画 「まちが劇場準備中」のナビゲーター藤浩志によって考案され、ペットボトルやクリーニング屋でもらえるハンガーなどでつくられた作品を商店街や空き地などをつかい実験的に設置されました。
そして昨年、中之島で開催された「水都大阪2009」で藤浩志のプログラム 「かえる工房」内でパワーアップした作品が制作され、今年度再びまちを飾ります。


■「トイザウルス」藤浩志@南海一本線跡地
全国各地で開催されている「かえっこ」から集まってくる壊れたおもちゃの破片を活用してつくられた作品。ここに展示している赤以外にも、青・黄色のトイザウルスが現存します。展示期間後も4月末まで引き続き展示され、通りゆく人々の注目を浴びています。


■「天の川の渡り舟」藤浩志@新開筋商店街
「水都大阪2009」の地域連携事業として、交野市に約1週間滞在し、妙見坂小学校体育館にて制作した作品です。使用したペットボトルは、学校に通う児童や周辺地域のみなさんの協力で集まったものです。
完成した作品は、交野市で毎年開催される「天の川・七夕まつり」で展示をしたあと、「水都大阪2009」会場、そして同年冬に開催した「光のルネサンス」会場をも飾り、本商店街に登場。そしてここから高松へと旅立ちました。

※藤さんのブログでもレポートがアップされています。 その1 その2 その3 その4


■「hung-art」福永宙@新開筋商店街
2008年度「まちが劇場準備中」にて、地域の方からクリーニング屋でもらえる不要になったプラスチックハンガーを集め、山王女性会や大阪市立デザイン研究所の学生とともに制作、同商店街に寄贈して展示が続いている作品です。
今回は、「水都大阪2009」会場にて立体バージョンのものが制作され、今年度も引き続き展示・寄贈することに。
設営時に商店街の方々に挨拶をした時に、みなさん「立派になったね~」などパワーアップした作品を褒めてくださり、前作品が日常に溶け込み、親しみをもっていただいている印象を受けます。
そのようなやり取りから、生活の中に作品があることの豊かさを再確認することができました。


(写真:仲川あい)

トーチカ

2005年ナガタタケシとモンノカヅエによって結成されたクリエイティブユニット。斬新な手法でアートを手がけるほか、音楽PV・映画予告編・企業広告などで、パンチの効いたビジュアル制作を行う。空中に光の絵を描く「PiKA PiKA」は、まちの風景をバックにその地域の人々とのワークショップによって作品を制作する。2006年オタワ国際アニメーション映画祭特別賞、第10回文化庁メディア芸術祭優秀賞、2008年クレルモンフェラン国際短編映画祭Labo部門でグランプリ受賞するなど、国内外で評価を受けている。最近は2008年「金沢アートプラットフォーム」金沢21世紀美術館、「赤坂アートフラワー08」など、展覧会やライブパフォーマンス、ワークショップなど精力的に活動。
http://tochka.jp/

パラモデル(林泰彦+中野裕介)

京都市立芸術大学卒業。2001年に結成。2003年よりユニット名をパラモデルとし、“極楽模型”制作をテーマに、アニメーション・絵画・立体・写真、また既製のおもちゃなども取り込み、様々な表現方法やメディアで作品を制作する。主な展覧会に2005年「paramodelic-graffiti」京都芸術センター、2007年「吉原治良賞記念アートプロジェクト2008入選展」大阪府立現代美術センター、「森としての絵画」 岡崎美術館、「美麗新世界:当代日本視覚文化」、2008年「KITA!! Japanese Artists Meet Indonesia!!」 Selasar Sunaryo Art Space、「アートで架け橋」大山崎山荘美術館など。平成20年度「咲くやこの花賞」受賞。

デコポリ[まちかざりの実験]

身の回りにある日常の素材をみんなで持ち寄り、新しいイメージの飾りをつくる地域実験プログラム。飾りを意味するデコレーションの「デコ」と、工芸を意味するポリテクニック、ポリエチレンなどのポリ素材の「ポリ」を掛け合わせて作られた造語。2008年度企画「まちが劇場準備中」のナビゲーターであった藤浩志によって考案され、ペットボトルやハンガーなどでつくられた作品を商店街や空き地などに実験的に設置。そして2009年度企画「絶滅危惧・風景」では、「水都大阪2009」内にオープンしていた「かえる工房」において制作された作品がまちを飾り、年々進化を遂げているプログラムである。

絶滅危惧・風景

2009年度は、「失われつつあるまちの風景」を作品化するプロジェクト「絶滅危惧・風景」を実施します。今回も活動エリア、作品の舞台となる新世界、西成(山王・飛田・太子)は、都市の中心部にありながら、近年の再開発からは抜け落ち、昔ながらの町並みや人情、昭和のたたずまいが残っています。しかし、老朽化や高齢化などの理由で、この数年で様変わりしてしまうことが予想されます。その失われつつあるまちの風景をアーティストが写真や映像で作品化していくことで、人間の営みについて再考しようというものです。

公開制作を実施することで、地元住民など参加者とプロセスを共有し、完成した作品をこのエリアの各所にて展示、地域に還元していきます。

  • *協力:大阪電気通信大学/新世界町会連合会/新世界市場商業協同組合/通天閣本通商店街/ジャンジャン横丁/通天閣観光株式会社/豊年食品株式会社/新世界援隊/山王社会福祉協議会/山王女性会/山王連合振興町会/飛田連合振興町会/飛田地区商店街連合/飛田新地協同組合/飛田新地料理組合/他撮影にご協力 いただいた店舗・個人の皆さま(順不同)
  • *主催:大阪市
  • *助成:財団法人 文化・芸術による福武地域振興財団
  • *企画・運営:ブレーカープロジェクト実行委員会/(財)大阪城ホール文化振興部
  • *プログラムディレクター:雨森信 *事務局:黒飛忠紀/松尾真由子/柳本牧紀
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