地域に根ざした作品、活動、しくみを生み出すアートプロジェクトの実験 「まちが劇場準備中」
新世界のお神輿
- 2008/08/10
- category: メンバーレポート
みなさま、こんにちは。
わたしは八木という者です。今回の“アー”ツクールに、ほんの微力ながらお手伝いさせていただいております。よろしくお願い申し上げます。
8月2日の土曜日、新世界での神輿の巡幸の見学に、
事務局スタッフのみなさんと行ってきました。
僕は大学院での商店街研究で、新世界のお店の方々にインタビュー調査をしてきました。いつもお世話になっている方、久しぶりにお会いした方、ごあいさつをさせていただく機会にもなりました。「いつになったら彼女連れてくるねん?」が、僕への挨拶がわりになってしまっています。とにかくノリのいい、元気なおじさまたちが多いのも新世界の特徴です。
子どもと商店街のおじさんたち、廣田神社のハッピを着て準備万端です。この日は、まくら太鼓、神輿、ふとん太鼓、そして地元の中学生の女の子たちが笹の神輿をかつぐ、ギャル神輿の計4台がでました。
(参照:新世界NOW)
「俺ら子どものころから、もうすでにおんぼろの神輿やったからなぁ」とある地元の方は言っておられましたが、まくら太鼓の丸太には、あちこちにテープで補強されている跡がありました。
しかし、お楽しみのお菓子の量は新世界も負けていません。新世界の神輿巡幸は、地元の町会組織、新世界町会連合会によって行われます。新世界内の商店街やいろんなお店、個人から協賛金が(新世界在住という某芸人さんのお名前も)。袋いっぱいのお菓子と、すいか、そしてアイスキャンデー。近くの住宅地から、わざわざお菓子を狙いにやってくる子もいるのでしょう。もらえるお菓子の豪華さは、商業地という場所ゆえでしょうか。
当日は、10時から午前の巡幸がすでにはじまっており、午後は13時から15時まえごろまで新世界じゅうをねり歩きます。しかしわれわれ、通天閣下を出発した神輿を早々に見失ってしまいました。途中、通りすがりの親切なおじさんに教えてもらい、ジャンジャン町を出てくる神輿と合流。あやうく見逃してしまいそうになりました。暑さのせいか、商店街から出てきた子どもたちが放心状態?になっていましたが・・・
また、そのためかあいだで休憩を挟むことが多かったです。大人たちは、昔からの間柄のようにふるまい、町会や商店街活性化に参加している方が多いのではと思います。でも規模は年々縮小していて、神輿の巡幸も昔は三日間あったそうです。また、日にちも違っていたそうで、7月の終わりにあった廣田神社の夏祭りが、すぐとなりの今宮戎の「こどもえびす」と一緒の日になったんだそうです。
最近は観光客の姿も目立ち始めた新世界のまち。お神輿と、パッピを着た日本のおっちゃんは、海外からの観光客に大人気です。この日も、一緒に記念写真を撮っている姿が何度かみられました。しかし、地元新世界の商店街のある方は、10数年ほど前、商店が次々と閉まっていき、また跡地が駐車場やマンションになっていく状況をみて、「新世界、住宅地になるんちゃんか?」と本気で思ったといいます。
「いまは単なる串かつブームやからなぁ」というちょっとさめた視線からは、持続的なまちづくりの難しさが垣間見えます。けれども、昔からのコミュニティが残されつつ、かつ外に対していつでも開かれている商店街。新世界はそういう懐の深さを持つまちだと僕は勝手にそう思っていて、今回“アー”ツクールでどんなことが展開されていくのか、いまから楽しみです。
カテゴリー
- お知らせ
- 事務局レポート
- メンバーレポート
- スケジュール
- 足あと