地域に根ざした作品、活動、しくみを生み出すアートプロジェクトの実験 「まちが劇場準備中」
レポート:“アー”ツクール3回目のミーティング
- 2008/07/06
- category: 事務局レポート
今回で3回目のミーティング、今までに出てきたアイデアの中から、どのように絞り込まれ、具体的にしていくことができるのか、、、
今回は、前回までに出ていたアイデアでもあるお祭りと商店街についての話し合いを中心に行いました。
西成区では、7月23日・24日に飛田地区で夏祭が、8月23日に山王地区で地蔵盆が毎年開催されています。飛田の夏祭は、昔、個人の持ち物であったお神輿を飛田連合会が譲り受け、地域のお祭りとして続けられてきたものだそうです。今年は、お神輿も地元の方の手づくりの飾り物(写真1)が新調されたとのことでした。(参照→レポート:西成リサーチ)
地蔵盆は、山王地区に20ある地蔵(写真2)を子ども達がお菓子をもらうために順にまわる、昔からある子どもの為のお祭りです。
どちらのお祭りも昔は盛大だったのですが、少子化や高齢化に伴い、現在は小規模になっているとのことでした。
祭りについてのディスカッションでは、
・非日常の祭りという仕組みがあることで、特別なコミュニケーション方法を作ることができたが、祭りの衰退によって、地域の繋がりが薄れていっているのではないか?
・みこしや山車を競い合うことで、地域の活性化にもつながっていた。
・個人の暮らしの変化によって、祭りに割く時間がなくなったのでは?
・・・などの意見があり、時代の変化によって祭りの形も変わってきたということが分かりました。しかし、小規模ながらも現在も続いている祭りやまちのあちこちに点在する地蔵の存在は、庶民に愛されてきた証でもあります。祭りというツールを使い、今の時代に必要な新しいコミュニケーションシステムというものをどうつくっていくのか?というのが、これからの課題になりそうです。
そして、商店街については、事務局が撮影してきた写真を見ながら、この地域に沢山ある商店街での展示や作品展開についてのディスカッションを行いました。
藤さんの提案は、日常風景を作っているしくみにアートプロジェクトが関わることで、別のしくみが生まれ、それが更新されていく、というようなことができないかというもの。
昔から残っている商店街に「何か」があることで、いつもと違う空間がそこに生まれる。今あるものに何かをかぶせていくイメージで再構築していくには・・・
3回にわたる話し合いにより、ぼんやりながらも何かが動き出している気がしてきました。
お祭り、商店街、掃除、植木など、このまちから生まれてきたアイデアをつなぐ「何か」は何なのか?
次回ミーティングは、地理学者の山田創平さんによる西成・新世界の歴史の勉強会と美術家の小山田徹さんと散歩を行うことで、また違った視点でプロジェクトを見つめ直したいと思います。
※藤さんのブログでもレポートがアップされています
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