“アー”ツクール つれズレなるまま - BreakerProject.net

breakerproject.net
08

地域に根ざした作品、活動、しくみを生み出すアートプロジェクトの実験
「まちが劇場準備中」

[project data]

レポート:新世界リサーチ

写真1 写真2 写真3 写真4 事務局にて西成リサーチに引き続き、新世界の商店街リサーチを行いました。
具体的な案はこれからですが、プロジェクトで制作した作品を商店街に吊るしたり、空き店舗を展示空間にしてみたり・・・このまちに昔からある商店街を「いじって」、何か面白いことができないか。
その為には、商店街の方々のご理解とご協力あってこそ、挨拶周りも兼ねてのリサーチです。

新世界には新世界市場、通天閣本通り商店街、ジャンジャン横丁といった市場や商店街があります。西成の商店街と同じく、通りごとのカラーが独特で個性豊かです。
それぞれの商店街の方にお話を伺うことができました。

新世界市場(写真1)は、通天閣西側に位置する市場。お惣菜屋さんやお弁当屋さん、お肉屋さんのカツサンドなど、美味しいものが沢山売られています。
この市場の南端に位置する空き店舗は、野点の時にリヤカーなどの保管庫としてもお借りしていた場所です。今回のプロジェクトでも何らかの形で関わっていきたい場の一つでもあります。
数年前からこの市場では飾り物やバナー(旗/幕)を設置しておられないようなので、今回のプロジェクトの話をさせてもらうと「どんどんやってください」と、大変好意的に受け止めてくださいました。
昔から変わらない佇まいの柱やアーケードなどを眺めていると、いろいろとアイデアが浮かんできます。(写真2)

通天閣本通りはその名の通り通天閣下から北西に伸びる商店街です。
昔からのお蕎麦屋さんや甘党屋さん、本屋さんなどが軒を連ねています。
46本あるバナー(写真3)は、1月頃まで借りられている企業があるということでお借りするのは難しそうですが、柱や店頭、通路の植木などを使っての作品展開はできるのではないかという案を出して頂きました。

ジャンジャン横丁(写真4)は、串かつなどでも最近注目されている商店街ですが、若手が集まる新世代の会を中心に様々なアイデアで商店街を盛り上げる活動をされています。
今回のプロジェクトの展示・発表を予定している12月初旬ごろはクリスマスに向けて、「ジャンナリエ」というライトアップイベントの最中ということで、このイベントに合うような作品なら大歓迎とのことでした。

まだまだプロジェクトの具体的な内容がない中でお話をさせてもらったのですが、どの商店街の方も好意的に受け止めてくださいました。話をすることで、私達だけでは出なかった発想やアイデアが出てきたりと、改めてまちなかに出て行く意義を感じることができました。

藤 浩志

アートの概念を美術史の中に位置づけるのではなく、「社会的に価値を認められていない存在(意識)を特別な存在として立ち上げるテクノロジー」として捉え、「地域資源、適正技術、協力関係」を活用した提案(デモンストレーション)型の表現活動を試みる。地域社会における対話と実験の現場をデモンストレーションという手法で立ち上げ、そこから発生するイメージの連鎖を重要視する。
http://www.geco.jp/
long interview [log-osaka]

まちが劇場準備中

2008年度は、ナビゲーターに美術家・藤浩志を迎え「地域に根ざした作品、活動を生み出す」ための実験として、約半年かけて新世界、西成周辺のフィールドワークを行います。そこから様々な「ズレ」を発見しつつ、対話を重ねることで立ち上がってきたプロジェクトを、まちを舞台に展開します。「まちを劇場にみたててシーンをつくっていく」また「日常の面白さをシーンとして再発見していく」そして、このプロジェクトはイベントではなく、「次につながっていくプロセス」ということで、タイトルは「まちが劇場準備中」。

  • *協力:(財)西成区コミュニティ協会/大阪市立デザイン教育研究所/大阪芸術大学教職員組/新世界町会連合会/新世界市場商業協同組合/通天閣本通商店街/ジャンジャン横丁/山王社会福祉協議会/山王女性会/山王連合振興町会/飛田連合振興町会/飛田地区商店街連合/飛田新地協同組合/飛田新地料理組合/通天閣観光株式会社/豊年食品株式会社(順不同)
  • *主催:ブレーカープロジェクト実行委員会/大阪市
  • *助成:(財)地域創造
  • *企画:雨森信
©Breaker Project.net